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岩手県農産物改良種苗センター

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年頭のご挨拶

新年を迎え、皆さまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。

日頃より、当センターの事業運営につきましては、特段のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

昨年の水稲生育は移植後の気象が良好に推移したことから全般に進み、出穂も平年より4日早まりました。8月以降の長雨、日照不足により登熟がやや緩慢となりました。

登熟のバラツキはあったものの総じて全もみ数が多かったことから、水稲の作況指数は全国「101」を上回る「105」となり、品質的にもカメムシ被害による着色粒の発生も少なく、うるち米の1等比率は92.5%と例年と同様に全国でも上位の水準となっています。関係機関・団体と一体となり実施している産米改善の取り組みが功を奏したと考えております。

本年度の当センターの運営状況を申し上げますと、まず水稲種子の生産につきましては、イネばか苗病は、採種ほ並びに周辺ほ場の巡回による抜き取りの徹底により発生の未然防止が図られ、細菌性病害は薬剤の播種同時施用、プール育苗の取組拡大により発生を回避することができ、種子生産者と関係機関・団体のご協力・ご指導により需要数量を全量供給できる見込みとなっております。

麦種子につきましては、一部ほ場で雪腐れ病の被害があり、また冬期間低温傾向であったことや、春以降降雨量が極端に少なかったことから茎数などの生育量が確保できなかったため、一部品種で生産計画を下回る状況となりましたが、備蓄種子を含めて需要を満たすことができました。

また、園芸関係の果樹苗木については、国の「果樹経営支援対策事業」を活用した改植の苗木需要が堅調であることから、関係機関団体と連携し生産性の高い有望品種の苗木生産に努めており、りんどう種子については、生産の効率化を図るため採種ほ場を集約化したことで県オリジナル品種の計画的な生産を実施しております。

昨年4月に、消費税改訂が行われたことから農産種子及び園芸種子種苗とも前倒し需要が多く発生し、その反動から今事業年度は取扱高で大きく影響を受ける見込みとなっております。きめ細かな推進により春3月までに直実に受注の積み上げを図って参る所存です。

当センターは、平成24年7月に公益社団法人に移行し、現在3年目を迎えております。農産物の市場性向上や農家経済の安定向上に寄与すべく一層公益性を重視した事業運営を進め、優良種苗の安定供給に最善を尽くして参る所存であります。

特にも近年の消費環境から主食用米の生産が減少し、飼料用米の生産拡大の方向が一層進むことが見込まれておりますが、飼料用専用品種の安定した生産並びに供給につきましても力を入れることとしております。

会員、関係機関・団体各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆さまのご多幸を祈念し、年頭のご挨拶と致します。