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岩手県農産物改良種苗センター

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年頭のご挨拶

明けましておめでとうございます。

新しい年を迎え、皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

また、日頃より当種苗センターの事業運営につきまして、特段のご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨年4月1日に主要農作物種子法が廃止され、新たに制定された「岩手県稲、麦類及び大豆の種子の生産等に関する要綱」「同要領」のもとで初めて種子生産が行われました。法律の廃止という大きなできごとに直面し不安もありましたが、混乱がなく昨年の種子生産が行われました。改めて岩手県の関係の皆様に感謝申し上げます。

昨年の稲作は、6月中旬の低温、登熟期の日照不足や相次ぐ台風の襲来などがありましたが、県全体としては作況指数101の平年作で、一等米比率が全国一と品質面も良好な結果を得ました。一方で、移植期の遅れが茎数不足に直結するなど、ほ場間差の大きな年になりました。近年、低コストの観点から導入が盛んな栽植密度を極端に落として栽培する疎植栽培がこの差を助長したと感じています。寒冷地稲作は早植えと適正な栽植密度で分げつ期の低温などに対抗してきた歴史があります。過去にも不順天候が2~3年続くことがありました。今一度基本技術の徹底を確認したいものです。

水稲は全品種で優良な種子を供給できる状況にありますし、「金色の風」と「銀河のしずく」についても、県の推進計画に対応できる十分量の種子を確保しております。

「売れる米づくり」のもとに各地で様々な動きが出ており、米をめぐる情勢は予断を許さない状況が続きます。我々としては、アンテナを高くして小さな変化も見逃さず、種子生産者の皆様が安心して取り組める環境を維持して参る所存です。

当種苗センターの園芸作物部門は、りんご苗木とりんどう種子・種苗が太宗を占めます。これらの作物は定期的に植え替えることや新品種の導入により消費ニーズに合った高品質な果実や切り花の生産と安定した収益が得られます。樹齢や株齢が適期を過ぎれば収量や品質が低下し、期待どおりの収益が得られません。老齢樹、老齢株の計画的な植え替えの検討をぜひお願いしたいと思います。

当種苗センターは引き続き農業生産の基盤である優良な種子種苗を安定的に供給し、岩手県内農業者の所得向上に寄与する所存であります。種子生産者の皆様や関係機関・団体各位の一層のご支援、ご協力を賜ることをお願い申し上げますとともに、皆様のこの一年のご多幸を祈念し、年頭の挨拶といたします。

           公益社団法人 岩手県農産物改良種苗センター

                   理事長  久保 憲雄